インドネシア旅行(東カリマンタン・ベラウ)

2010年4月28日から5月9日にかけて、インドネシア東カリマンタン州を中心に旅行してきました。カリマンタンといっても普通ピンとこないと思いますが、ボルネオ島というとみなさんご存知なのではないでしょうか。世界で3番目に大きな島で、北側にマレーシアのサラワク州サバ州があり、その両州に挟まれるかたちでブルネイがあります。そして南側がインドネシア領インドネシアではカリマンタンと呼びます。東カリマンタン州はその名のとおり、カリマンタンの東側にある州で、マレーシアから見るとサバ州の南側にあたります。そう考えると、ひとつの島に3つの国が存在しているわけです。うん、なかなかすごいことですね。

今回はその東カリマンタン州でも、ベラウ県にいってきました。日本からいくとなると大変です。今回は、ジャカルタ直行便が高くてシンガポール経由にし、しかも途中、ジャカルタとスラバヤで寄り道したので、成田→シンガポールジャカルタ→スラバヤ→バリクパパン→ベラウと5回も飛行機を乗り継いでたどり着きました。

インドネシアはご存知の通り多くの島々から構成され、また道路網が未発達な地域が多いため、飛行機がかなり一般的な交通手段で、格安航空会社が乱立しています。しょっちゅう事故も起こっていますし、航空会社によっては常態的に遅れますが、まあ、どこへでも安く飛べるのはいことですよね。船だと時間がかかりますし、安全とは限りません。

ボルネオ島というと、世界有数の熱帯雨林が有名ですが、東カリマンタンでは長く違法伐採が問題になってきたようで、既に大きな木は切りつくされ、材木としての価値が低い木なのでしょうか、たまにひょろっと高い木が取り残されている、といった状況です。違法伐採には、日本も最終的な消費者として間接的に、でも深く、関わってきたんだと思います。かわりに、ここでもアブラヤシのプランテーションが急拡大していていました。アブラヤシ栽培は、地域の基幹産業として経済を支える姿と、森林破壊の元凶としての姿、両面を持っています。洗剤のパッケージなんかに原料はパームオイル(アブラヤシの油)なので環境に優しいと書かれていることがあります。日本ではアブラヤシがどのように栽培されているか、おそらくほとんどの人は考えないでしょうが、森林破壊と表裏一体であることは忘れないでおきたいですね。ベラウ県は、コショウの生産地としても有名なようですが、農園によっては枯れている木も多く、アブラヤシに押されて、衰退傾向にあるようです。

また、ベラウでは石炭の採掘も盛んで、新しい炭鉱が見つかったのか、海へのアクセス道を建設していました。日本も火力発電所で使うため、多くの石炭をインドネシアから輸入しています。ベラウの石炭を輸入しているかどうかは知りませんが、意外なところで、日本と密接につながっているのかもしれないですね。

さて、前置きで終わってしまいそうですが、今回はベラウで車(運転手つき)をチャーターして(1日500,000ルピア。ガソリン及び運転手の宿代・食事代はこちら持ち)、東カリマンタン州の東端にある岬の先端近くにあるビドゥビドゥという村を目指しました。ベラウで聞いたときは、ビドゥビドゥまで道路の舗装が完了しているという話でしたが。。。確かに途中までは、穴ぼこだらけだったものの、確かに舗装されていました。でもそういう期待は裏切られるものですね。途中、タリサヤンという漁村を過ぎると、未舗装の悪路です。6:00にベラウを出発し、15:00にやっとビドゥビドゥに到着しました。たいした距離でもないのに、11時間ほとんど走りっぱなしです。

ビドゥビドゥは意外にもとてもいいところでした。美しい砂浜にそって走る道路の両脇に人家が点在する静かな漁村で、平和で落ち着くところです。ちゃんと宿もありました(できたばかりだそうです)。ということで、以下、写真でビドゥビドゥを紹介します。



ビドゥビドゥ初日の夕食。魚がメインです。



海で遊ぶ子どもたち。



もち米のおにぎりに甘いココナツをまぶしてある食べ物。



沖合で雨が降っています。この雨はこの後すぐ上陸しました.



道路網が貧弱なため、物資の輸送はもっぱら船によるところが大きいようです。



宿の女の子。



船の赤色が映えます。



夜明け。



コショウの実。インドネシアでは生のコショウはあまり料理に使いません。


タリサヤンは規模としては大きな村ではなさそうですが、ビドゥビドゥと比べると、乱雑でがさつな印象です。でも個人的には結構好きです。ビドゥビドゥが漁村なら、こちらは港町です。近くで取れる魚の集積地のようで、港の周辺で魚を干していました。サイズは小さいもののフカヒレもたくさんありました。現地の人が食べるわけではないと思うので、どういうルートでどういう人に渡るのか、興味が尽きないところです。



タリサヤンの街。



フカヒレを作っているようです。



タリサヤンの夕焼け。



そして打ち捨てられた船。